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塾講師が考える中学受験算数首都圏の中学受験塾で算数を教えています.自分自身がほぼ自宅学習のみで中学受験に成功した経験を生かし,今は講師として試行錯誤中です.ATTENTION!!! 現在新blogへの移転期間中です.乗換えをよろしくお願いいたします. 「カイトのさんすう学習帳」について;初めてご来訪の方へ&目次 メールはkaitoexe<at>green.livedoor.comまで,お気軽にどうぞ. ↑気に入っていただけた記事がありましたらクリックお願いします! 人気blogランキング ブログ大辞典.com ブログランキング ブログベル bloog ブログ王 ↑こちらも… さんすうリンク 算数にチャレンジ!! 算数オリンピック公式HP 東京出版 パズル通信ニコリ . 最新のトラックバック
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2006年 03月 05日
話し言葉の次は書き言葉についてです.
--- (1) 算数ができない原因が算数にあるとは限らない (2)(3)(4) 日本語能力が算数の出来を左右するポイント (5) 日本語の基礎能力を作るために留意したいこと(前編) の続き --- 2. 書き言葉の咀嚼 書き言葉は話し言葉とはまた違うものです. 話し言葉では,「てにをは」をはじめとする助詞などの付属語をある程度いい加減にしても意味は通じます.現に,アクセントを付属語に置くのは例外的なことです.また,文の主語は省かれることが多いですから,主語‐述語の関係を考えなければならないこともあまりありません.相手は主張したいことを何度も言ってくれるでしょうから,ぼんやり聞いていても要は何が言いたいのかわかるということも多いですし,わからなければすぐに聞き返すこともできます.この類のことをやりすぎると子どもの芽をつむことになってしまうことは前回述べた通りです. これに対して書き言葉では,話し言葉の場合に相手が手助けしてくれていたことをすべて自分でやらなければならないというのが最大の違いです. 書き言葉が理解できるようになるための常套手段としてよく読書が勧められます.年齢や興味に合わせて読むものを選ぶことによって話し言葉から書き言葉へのハードルを低くすることができますから,日本語能力を伸ばすためには非常に手軽で効率のいい方法です.ただ,子どもたちを見ていると,「読書好きであること・読書量が多いこと」と「日本語能力が高いこと」は同値ではありません.会話量と日本語能力の関係と同様,読書が好きでよく読むにも関わらず,国語の問題には太刀打ちできない,書き言葉の読み方が定着していない子どもも多くいるということです.これは,普段から読んだ文章を自分で咀嚼する力と習慣がついていないからではないかと私は考えています. 例えば中学生や高校生の英文和訳で,名詞や動詞を適当につなぎ合わせて勝手に文を作り上げてしまう生徒がよくいます.一文を和訳するならまだいいのですが,長文問題になると自分の都合のいいように全体の粗筋を創作してしまっていることもあります. それと似たようなもので,日本語の文章でも話し言葉の場合と同様に,付属語や主語‐述語の関係をきちんと把握せず,大体の筋がわかる程度になんとなく流して読む習慣がついていると,読書ならではのメリットを生かせないことになります.たくさん読めばいいというものではなく,読み方の質が重要であるということです. 黙読の場合に子どもがどんな読み方をしているのかは,当然なかなか外からはわかりづらいものです.しかし,低学年のうちは音読をさせてみるとある程度チェックすることができます.(低学年のうちというのは,学年が上がるにしたがって,だんだん他人の耳を意識して立派に読んでみせようという意識が出てくるからです.)簡単にいうなら,大人が見て不自然な読み方になっていれば要注意です.音"読"というよりは下手な機械音声になっているような状態です.もう少し具体的にいうと,身の丈にあわないむやみに速いスピードで読もうとする,段差につまづくかのように読点でいちいち突っかかる,文アクセントを妙なところに置く,行の切れ目が文節の切れ目になっている(改行の際に少し声が詰まるのは仕方ないことですので,明らかにそこで声を切って読んでいる場合)といったところです.文字を追うことが文章の内容を理解することよりも優先される習慣がいったんついてしまうとなかなか修正がきかないですから,注意深く見守っていく必要があります. また,よく言われるようなことですが,話し言葉のような読書の仕方をさせないためには読ませっぱなしではなく「どんな話だったか,それについてどう思ったか」といったことについて話し合う機会が持てるとよいでしょう.いつもいつもそんなことをする必要はありませんが,文章に対するアプローチの向上,意識づけの一環としては有効です.
by kaito-exe
| 2006-03-05 19:57
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